突然の解散から18年、今もなお人々の記憶と心に「居坐り続ける」伝説のバンド “THE THRONE MASTERS”(スローン マスターズ)。
THE MICETEETHとも親交のあった彼らの、幻の未発表デモ音源を初カセットテープ化しました!
(カセットプレーヤーがなくてもweb上で聴けるようにします)
全4曲を収録!

THE THRONE MASTERS試聴用トレイラー

(更に公演当日各会場の物品販売コーナーにてご購入していただくことも可能です。価格¥1,000- 限定100本)

スローン マスターズのカセットを手に入れる事が出来るのはTHRONE NIGHT vol.8,9,10の3日間だけです。

この機会をお見逃しなく!!!

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*28日(土)の大阪公演『THRONE NIGHT vol.9 』の前売り券は完売致しました。尚当日券の販売はございません。

 

*今回カセットテープ化にあたって、親交の深かったギター森寺啓介が大阪某所でインタビュー取材を受けました。スローン マスターズやマイスティースメンバーとの関係について語っています。

 

インタビューはこちら

ーーー突然の解散から18年、今もなお人々の記憶と心に『居坐り続ける』伝説のバンドTHE THRONE MASTERSーーー

文:座椅子一生

関西を中心にたった5年間という短い活動期間で世界中に『着席形ビートパンク』を轟かせたスローン マスターズ。
解散から18年の時を経て今回、幻の未発表デモ音源が発表される事となった。

リリースに踏み切ったのは結成当初とても親交が深かったTHE MICETEETHの主催するレーベルMASTER THRONE。
それがいかに奇跡的な事か、何故それが実現したのかーーー。

解散の理由も含め謎の多い彼等だが、その存在を知らない人の為に簡単に解説しておきたいと思う。

THE THRONE MASTERS

1995年 ヴォーカル/明日今日助(あした きょうすけ)、ドラム/DJ DA$H、ギター/CASE、オルガンベース/NABLEの4人により結成。
初めは憂歌団のコピーバンドとしてスタートするもギターのCASEが全くコピー出来なかった為オリジナル制作を余儀なくされる。
当時のバンド名は『汚物団』。ストレートなメロディーと屈折した歌詞でライブ観客動員数を着実に伸ばしていく。
そんな中興奮してステージに上がって暴れた観客がNABLEのベースのネックを折ってしまう事件が起きてしまう。
そのとき隣にあった次の出演バンドのオルガンで演奏を続けた事から、以来オルガンベースが基本となる。
またこの事件がきっかけで彼等は徹底的にモッシュを否定し、ステージでは必ず椅子に座って演奏するようになる。
更にフロアーにもパイプ椅子を設置、オーディエンスにも着席を義務づける徹底ぶりで、これがナーズをはじめ一部の層に圧倒的な支持を集め話題となる。
この頃バンド名をTHE THRONE MASTERSに改名。

その影響は日本国内に留まらず2000年以降アメリカ西海岸で起ったニーゲイザー(床に座り込んで演奏する)や、
時を同じくしてロンドンで発生したシットコアなどのムーブメントもスローン マスターズから始まったと言われている。

1999年 自主レーベル『wonderful booking 』設立 1st full album の製作を開始。リリースにともなった全国ツアーも決定、
主催する野外イベント『MEGA座ってる』開催。海外からの出演依頼も多数寄せられていた。
そんな中2000年7月突然の解散発表。リリースは勿論、予定されていたツアーも出演が決まっていたイベントも全てキャンセル。
スローン マスターズは突如として跡形も無く消えてしまったのだ。不仲説や死亡説まで囁かれるも解散の理由はいっさい語られず、メンバーそれぞれの消息も未だ不明。

そして今回の未発表デモ音源リリースーーー
何故それが実現したのか、特に親交が深かったという森寺氏に当時の様子も含め話を伺った。

・まず交流があったのはいつ頃ですか?

森寺:1997年の初めくらいから2000年までです。知り合いの紹介で楽屋に通してもらって。
俺はまだマイスに加入する前でしたけどメンバーとは友達だったのでよく一緒にライブに行ってました、
メンバー全員スローン マスターズのファンでしたから

・森寺さんが一番仲が良かったのはやはりCASEさんですか?

森寺:そうです、歳も一緒やしギターやし、後、ザワ(金澤)とDA$H君もよく飲みに行ってましたね

・ご自身でCASEさんの影響は感じられますか?

森寺:勿論、憂歌団やブルースを教えてくれたのはCASEやし、今メインで使ってる黒いギターはCASEから借りたままの物です

・当時のライブはどんなでしたか?

森寺:凄い雰囲気でしたね、みんな座ってるのに汗びっしょりで、けどストイックな感じじゃ無くてお客さんから野次が飛んだり
とにかく楽しいライブでした。ワンマンの時なんか、初めて見に来たお客さん全員ステージに上げて今日助さんが一人づつ膝カックンしていくんです

・どんな意味が?

森寺:意味はよく分かりませんが『これでお前も仲間や!』って言って、実際むちゃくちゃ盛り上がってましたね、
変な儀式みたいで面白かったです

・モッシュをそこまで否定した理由については何かおっしゃられてましたか?

森寺:怖いって

・え?

森寺:怖いからって言ってました

・なるほど

・音源はどの様にして入手されたのですか?

森寺:ザワがDA$H君と最後に飲んだ日の帰り渡されたそうです。『好きにしてくれ』って、、
言われてもどうして良いか分からないし、メンバー内で大切に聴いていただけなんですが
今回カセットテープを出す話が持ち上がった時に今しかないなって話になって

・勿論許可取ってないんですよね?

森寺:はい、本当に誰も連絡取れないですから。
けど何処かで知って怒鳴り込んで来ないかなってワクワクしてます、言わばこれは撒き餌の様なものかも知れません

・解散の理由について何かご存知ですか?

森寺:本当に分からないです、不仲説は無いと思います、とても仲良かったですよ。

・なるほど、、、では今回の収録曲について簡単に解説して頂けますでしょうか?

森寺:『檻 畳 椅子』
DJ DA$H君の曲です。ライブで一番盛り上がる曲でしたね。
DJ DA$H君は特に着席にこだわりが強くて元々ドラムって座って演奏するからお客さんが座ってる事に対して
常に『フェアな関係』と呼んでました。因みにDJはDRUM JOCKEYだそうです。

『We’re THE THRONE MASTERS』
今日助さんの曲です。普段おとなしくて冗談とか言わないタイプなのに
歌詞がいつもぶっ飛んでるからホント不思議な人。次松とは楽屋でよく話してましたけど、、、どんな話してたのか全く分からないです。
今日助さんもピアノ弾くみたいなんですけど、デモはいつもオケなしで歌だけのトラックとコード表が渡されるだけだったそうです。

『MY BLUE HEART』
NABLEさんの曲です。これもライブで人気の曲でした、NABLEさんとにかくおしゃれで普段からモッズスーツで
きめてましたね、多分「NABLE」は「FASHIONABLE」から来てると思います。因みにマブちゃん(藤井)の曲『素晴らしい日々』は
この曲へのオマージュだって本人が言ってました。

『憂鬱な歌』
CASEの曲です。これは確かライブでもやってない新曲だったと思います。元々『憂歌団を聴きながら』ってタイトルで
サビの歌詞もそれだったみたいなんですけど今日助さんが書き換えたそうです、CASEも納得してましたね。

・最後に森寺さんにとってTHE THRONE MASTERSとは?

森寺:別に

・え、、有難う御座いました

森寺:青春です

・有難う御座いました

 

座椅子一生(ざいす・かずお)
大阪在住の音楽専門フリーライター。
主な著書に『音譜の罠・詩人 流星恥丸の生涯』『ボブ ディランが解らない』『働くヒッピー』等がある。